2002/04/04(木)

ネットコンテンツ・所有概念・パッケージ性

 ネットコンテンツには、実はパッケージ的なものって少ない。コピーされやすい、回線の都合上全部ダウンロードしてから見るっていうのが難しい、そもそもパッケージ的なものにするための規格が作りにくい……などなどいろんだ理由があるんだろう。でも、とにかく、今のネットコンテンツって、言うなれば、観光地の「望遠鏡」でしかない。買うといっても、手元に何が残るわけでもなく、そんなに面白いものでもない。

 でも、実はこれからブロードバンド化されるにつれて、再びパッケージ性の概念が重要になってくるんじゃないかと俺はにらんでいる。つまり、ネットでは希薄だった「購買→所有」というメタファーをいかに復活させるかというのがキーになってくると思うんだ。みんな実は意識してないけど、パッケージって重要だよ。

  教科書とかソフトとかコピーする人はやっぱりいるわけで、俺も昔はそうだったけど、でもいつの間にか俺はやらなくなった。それはなんでかというと、コピーしたものってなんだかパッケージ性が希薄で、所有しているという感じがしないから。細かいマニュアルがなかったり、箱がなかったり、実用上はそれはそれでやっていけるのかもしれないけど、やはりモノへの愛着も湧かないし、ふとしたことで散逸しやすかったりする。

  パッケージ性がきちんと成立していることは、オブジェクトとしてきちんと機能するということでもある。メソッドやプロパティが内外侵入しあったりしないということ。これって実はすごく大事なことだと思うし、人間がモノをモノとして扱う時の基礎って結局これなんじゃないか。たぶん、今までのネットコンテンツは、そういった意味での「モノ」としては不十分な形でしか成立してなかったと思う。

  だから、ソニーにしてもヤフーにしても、「ブロードバンドコンテンツエンジョイサイト」を作って、そこにアクセスしている間だけいろいろ見られるよっていうようなのを目論んでいるようだとアウト。パッケージ性についてきちんと意識しなくちゃダメなんじゃないか。

  簡単にコピーできるデジタルメディアであるからこそ、あえて簡単にコピーしたくらいでは真似できない「パッケージ」的なものをきちんと作ることが重要になってくると思うよ。それはデジタル時代のブランドイメージでもある。

  さて、どうなることやら。

で、今日は

 先日の続きで作成支援環境をちょっとづつ修正しながら、同時に某写真家さんサイトの定期更新。まあ、なんとか終わる。