2006/04/03(月)

狐に化かされる話

 朝食はおにぎりとサンドイッチ。

 父親の車に乗せてもらい、彼女のお父さんを迎えに宇治山田駅まで行く。ご無沙汰しております。

 父親のズボンを借りる。長さがきちんと足りているのはなぜ? 俺の足が短いということだろうか。

 天気はいいが、風が強い。花輪が大変なことに。

 昼飯はお寿司。親戚をお義父さんに紹介。実は俺も、誰が誰だかきちんと把握してなかったりするのだが。

 告別式。お坊さんのお経。

 告別式が終わり次第、行列になってお骨を近くにあるお墓まで運ぶ(火葬は昨日のお昼に済んでいるので)。俺は灯篭持ち。

 骨をお墓に納めた後は、朝熊ヶ岳のてっぺんにある金剛證寺の奥の院へ。山は寒いね。

 お坊さんのお経。

 このあたりには、1〜8mの高さの卒塔婆がずらーっと並んでいる。1万柱あるらしい。

 母方の祖父、伯母さん、父方の祖母の卒塔婆も立っている。手を合わせる。

 精進落としの晩飯。今日の仕出し弁当のボリュームは昨日以上。エビフライがでかい。

 お義父さんをお見送り。電車の時間まで少し間があったので、観光がてら夜の夫婦岩を見にいく。その後、駅へ。

 見送りの後は、また祖母の家に戻り、精進落とし。彼女は野菜の育て方について色々教授を受けている。

 昔のことを聞く。以下は、母親が亡くなった祖母から聞いたという話。

ン十年前、夫婦岩周辺が今以上に賑わいのある観光地だった頃。
その日、祖父は旅館街の方まで出かけていた。ご馳走の残りものとして出る魚のアラをもらいに行ったのだった。
まだその頃は、この辺りには人家が少なく、夜になると集落と集落の間は全くの真っ暗闇。
なんだか祖父の帰りが遅い。もう0時を過ぎている。家で祖父の帰りを待っていた祖母は心配になってきた。
真っ暗な中、祖父を探しに行く。
ぽつんと祖父がいた。溜め池の横に、ぼーっとした表情で座り込んでいる。祖母が祖父に声をかける。
「ああ、わし、狐に化かされとった……」
祖父は言う。帰り道、遠くに灯りが見えたので、うちはそちらの方だと思って歩いていったら、全く違う方向に来てしまっていた……。
魚のアラをねらって、狐が祖父を化かしたということらしい。
ただ、実際にその魚のアラがなくなっていたかどうかは定かではない。

 「ほんとの話なんよ」とマジメな顔で母親は言う。「昔はそういうことがあったんよ」。「そんなん嘘やん」と言って俺たちは笑う。

 祖父は「このことは絶対他の人には話すな」と祖母に言ったらしい。そんな話が、祖母から母親に伝わり、今こうやって俺が世界に公開することとなった。人の口に戸は立てられないものですな。

 実家に戻り、早めの就寝。

 

# やっちん 『意外に多い,狐にだまされる話,この近所。2,3例聞いたことあるよ。確かにアノ辺は狐が出そうな雰囲気がありますな。なんなんでしょうね?』

# hyakko 『その狐話、全部聞いてまわりたいですね。』

# morimon 『是非聞きたいです。』

# T体調 『四国は弘法大師が狐を追い出してしまったので狸に化かされる話が多いですね。http://www.waw.ne.jp/youkai/9709/tanukiDB2.html の「首吊り狸」なんてなかなか怖いですが。』

# morimon 『へー。四国には狐いないんですか。知らなかった。「狸の特徴」のページ、なんだか、不可解で不気味なのが多いですね……。』