2002/01/03(木)

ボトムアップの街作り

 最近、安藤忠雄の本読んでんだけど、建築ってなかなかおもしろいね。

  で、あらためて思うんだが、最近の日本の街作りってほんとトップダウン式が多いよね。住んでる場所の関係上、お台場の方とか行くこと多いんだけど、行くたびに感じるもん。でかいビル建てて大資本入れてとりあえず人呼び寄せて、でも赤字だったらテナント入れ替えて……。それから、眺めはいいかもしれないが、同じ形を持った箱の積み重ねに過ぎない高層住宅を建てて……。そういうのもいいんだけど、なんかそこに息づいている人間の臭いってのが希薄なんだよね。規格化されてるっつーか、ノイズが足りないっていうか。普通、昔からある街って、そこにいる人たちの多様な個性の集合体として成り立っているようなところがあるんだが、それがないの。歩いている人の年齢とか職業もかなり均質化されてるしね。仮に、たとえば、一念発起して脱サラ、小さな喫茶店(本屋でも、ラーメン屋でもいいんだけれど)を作ろうと思う人がいても、ああいう街からそういうことやるのは難しそうだよね。どうもああいう街には、そういうボトムアップ的な要素を排除するような雰囲気があるし、実際、そういうのを展開する場所ってのがない。なんだか懐が狭いんだよね。

  とはいえ、大人になってからこういう街に住んだりするってのは、まあ、それはそれでいいとは思うんだが、問題は、子供を育てる環境としてはどうかなって点だ。俺的には、子供には(ってまだいないけど)、小さいうちにできるだけ世界の多様性を見せてあげてあげたいと思っている。世界には、いろんな人間がいて、いろんな職業があって、いろんな住まいがあって、いろんな生き物がいて……。そういうのを子供の頃から感じさせてあげたい。そういった多様性と人間の生命力・バイタリティってのは不可分だと思うから。そして、本当の知性には必ずこういう多様性を感じる力が備わっているものだし。でも、そういうのが感じられる環境ってだんだんと減ってきているんじゃないか。

  「ボトムアップの街作り」って難しいだろうけど、なんとかならないもんかね。